Nawshicaの自然とともに

2019年4月にフリーとなり、現在は Nature Guide & Research として鳥や植物、昆虫の調査や観察会講師、ガイドなどをしています。このブログは​ 20​10​/04​/2​9 に yahooブログで開設し、2019/09/09 にこちらに移行しました。このブログでは日々の活動で見た生き物を中心に情報を発信しています。

イヌガシ

3月末に、地元龍門山に久しぶりに行きました。
 
龍門山はギフチョウ(Luehdorfia japonica)南限の地であること、特産のキイシモツケ(Spiraea niopponica var. ogawae)がたくさん見られることで有名ですが、ギフチョウは1980年代に目撃されたのを最後に絶滅してしまいました。マニアの乱獲によるものと考えており、本当に残念なことです。今は、繁殖した個体を放蝶することで、再び見ることができるようになりましたが、遺伝的にはもといた龍門山産のギフチョウではなくなっているのは残念なことです。しかしそれゆえ、再びマニアに乱獲されることはないと思うのですが、またいなくなるようなことのないように、龍門山の自然を守る会が中心となって保護活動を行っています。
 
2010年度に龍門山の山頂部が特別保護区に指定されたことにより、整備の予算が付き、新しく看板や樹木の名札を作ることになりました。落葉樹については後日観察会の際に設置することにし、葉が出てなくてもわかる範囲で、どの木に付けるのかを指示してきました。名札は急遽枚数が増えたため、写真が用意できなかった種に関しては、守る会でまた後日作成する予定です。
 
このイヌガシ(Neolistea aciculata)はそういう樹木の一つ。山頂近くでこういう赤い花をいっぱいつけていました。龍門山にはもう1種これによく似たヤブニッケイ(Cinnamomum tenuifolium)もありますが、中央コースではこちらの方がよく見られます。イヌガシに似てもっと葉の大きなシロダモ(Neolitsea sericea)の方がずっとたくさんみられます。
 
この3種のクスノキ科の植物は、3行脈のめだつ葉はそれぞれ似ていますが、花の形や色、開花期がみな違っているので、花を見ればすぐにわかります。
 
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クモランとカヤラン

今年もまた、スギ(Cryptomeria japonica)の枝打ちがされる場所を見に行ってきました。
 
この場所は冬の間に時々スギの枝打ちが行われ、落とされた枝が積み上げられている場所です。スギの枝にはカヤラン(Sarcochilus japonicus)や、時にはクモラン(Taeniophyllum glandulosum)もついていて、そのままにしておけば枯れてしまいます。と言って持ち帰ったとしても、どちらのランも気難しいランで、育てることは難しいのですが、そのまま踏まれたり枯れてしまうのはあまりにかわいそうなので、いつもはかない努力をしてしまいます。
 
枝打ちは今年はされていませんでしたが、枯れたり折れたりして登山道に落ちている細い枝をじっくり見てみると、カヤランもですがクモランもいくつか拾うことができました。登山道の上なので、いくつかは気付かれずに踏まれていました。
 
これはその中でもまだ元気な株です。ずっと樹上でいればまだ何年も生きられたのに、残念です。
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クモランやカヤランの落ちている場所の近くには、ユキワリイチゲ(Anemone keiskeana)の群落もあり、ウスバヒョウタンボク(Lonicera cerasina)も所々で見られます。
 
大阪でこういう珍しいものが見られる場所はとても貴重です。ユキワリイチゲは今年はなんとなく花数か少ないように思いました。ウスバヒョウタンボクはまだ葉がやっと展開しだす程度で、今年こそきれいに開花しているところを撮影したいと思っています。
 
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タイのラン

もう20年以上前、タイ北部に旅行に行きました。そこで見つけたランが今も毎年咲いてくれます。
 
当時はまだワシントン条約の締結前で、このランもちゃんと両国の検疫を通して持ち帰ったものです。若気の至りと思ってお許し下さい。
 
図鑑で見るものとはやや色合いや斑紋が異なるのですが、おそらく Bulbophyllum lasiochilum だと思っています。今日は一つ咲いていました。美しい、という感じではありませんが、不思議な色合いと花の構造なので、けっこう気に入っています。
 
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