Nawshicaの自然とともに

2019年4月にフリーとなり、現在は Nature Guide & Research として鳥や植物、昆虫の調査や観察会講師、ガイドなどをしています。このブログは​ 20​10​/04​/2​9 に yahooブログで開設し、2019/09/09 にこちらに移行し、日々の活動で見た生き物を中心に情報を発信しています。なお、元高校数学の教師でしたので、家庭教師の依頼も受けております。

根来山げんきの森下見

今朝、根来山げんきの森に行ってきました。
 
ここは根来鳥獣保護区が拡張されて新たに鳥獣保護区となったところです。今年根来鳥獣保護区の更新のための調査の年で、ボクが担当することになりました。今日は下見、明日本調査に入ります。
 
げんきの森はずいぶん昔のまだまだ整備が始まった頃に何度か観察会講師として来た事がありますが、今のように整備されてからは初めて来ました。中央の道路はアスファルトで舗装されているのにはびっくりしましたが、周辺の枝道は昔ながらの山道で、春の花がたくさん咲いていました。また、シジュウカラ(Parus minor)やヤマガラ(Parus varius)、メジロ(Zosterops japonica)などがよくさえずっており、早くもコマドリ(Erithacus akahige)のさえずりも聞くことができました。ここでのコマドリの記録は今までなかったのでは、とのことでした。イカル(Eophona personata)やシメ(Coccothraustes coccothraustes)、ノスリ(Buteo japonicus)なども見られ、明日の調査が楽しみです。今日は調査じゃなかったので、落ち着いて周りの植物などを記録しながら歩きました。
 
前線が近いためか、風が強くてなかなか被写体の植物はじっとしてくれませんが、たくさんの鳥や植物が見られてよかったです^^
 
春一番に見られる植物で、地味ながらボクのお気に入りの植物は、このモエギスゲで(Carex tristachya)す。萌黄色の名前が付いている小さなスゲで、雄小穂と雌小穂が花茎の上部に密接して付けるのが特徴です。拡大してみると、細い雄花の鱗片の両側がレモンイエローでとてもきれいです。こんな細かなところを気に入るボクって・・・ (A^^;)
 
花をよく見てみると、まず少し下部にある雌花が咲き、白くて3裂した柱頭を横にピンと張り出して糸くずが付いたようになっています。
 
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雌性期が過ぎると、糸くずのような柱頭は下に垂れるようになり、かわって上部の雄花から葯が伸びだし、花粉を飛ばすようになります。
 
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自家受粉を防ぐために雌性先熟にしてるのです。花粉がよりよく飛ぶように雄小穂の方を高く付けるのもなかなかよく考えています。
 

渡りのシーズン

夏鳥の渡りのシーズンです。
 
この前の日曜日の龍門山も、山頂ではサシバ(Butastur indicus)が数羽渡っていましたが、それ以外の夏鳥の気配はありませんでした。
 
そろそろオオルリ(Cyanoptila cyanomelana)やキビタキ(Ficedula narcissina)のやってくるシーズン。でも次に山に行く予定は、4月24日(日)の和泉葛城山までなさそうです (T_T)
 
ヒヨドリ(Hypsipetes amaurotis)もそろそろ渡っています。
 
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普通種のヒヨドリも謎の多い鳥です。1年中見られるヒヨドリですが、渡りの大きな群れが見られますし、もしかしたら夏と冬で個体群が入れ替わっている可能性もあります。♂と♀もインハンドでさえ確実に見分けることはできません。鳴き声も、どれがさえずりでどれが普通の声なのかも分からないし、この写真にあるような肩羽の羽縁の白っぽい斑も年齢に関係するのか性別に関係しているのやら。4色視のできるヒヨドリの目には、お互いの性別も見分けられるのでしょうか?

龍門山観察会(その2)

昼食後、少し下ると、コツバメ(Callophrys ferrea)がいました。これも春一番にだけ見られるチョウです。田代峠でもイヌマキの雄花に来ていたのですが、ここでやっと接近して撮影できました。敏捷なチョウで、接近するのは大変でした。
 
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地味ながら、散りばめられた白い模様や目の周りの白い隈取がキュート!
さらに下ると、イヌガシ(Neolistea aciculata)がまだ咲いていました。ヒメクロモジ(Lindera lancea)の小さな花や、落ち葉をかき分けてヒメカンアオイ(Heterotropa takaoi)の花を観察したあと、明神岩の分岐のところでアブラチャン(Lindera praecox)が満開になっていました。
 
イメージ 2
 
明神岩からの眺めはとてもよく、紀の川から和泉山系がばっちり見られました。山腹のタムシバ(Magnolia salicifolia)もいたるところで満開でした。
 
イメージ 3
 
自然がいっぱいの龍門山ですが、今年も帰化鳥のソウシチョウ(Leiothrix lutea)が良くさえずっていましたし、中央登山道入り口から田代峠登り口までの道筋では新帰化植物のシラホシムグラ(Galium aparine)やミチタネツケバナ(Cardamine hirsuta)がいっぱいでした。
 
参加した子供達が大人になった時に、帰化生物の侵入のない、貴重な生き物達が今のままちゃんと生き続けている龍門山であってほしいと願うばかりです。
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