和歌山で最近になって記録した帰化植物がいくつかあります。
まずはオオマツバウンラン(Linaria canadensis var. texana)。母種のマツバウンラン(L. canadensis)に比べると花がずっと大きく、全体に淡い青で、距が長く下に湾曲しているのが特徴です。
2009年4月に近畿大学生物理工学部校内にたくさん咲いているのを見たのが和歌山県での初記録でした。情報発信すると、和歌山市内など数ヶ所であっという間に見つかりました。マツバウンランが咲いていると思い込んでいるうちに、知らないうちに広がっていたのでしょう。
これがどこにでもよく見られるマツバウンランです。
こちらは花のサイズも小さくて横への張り出しも少なく、中央部が白く抜けたように見えますし、距は湾曲せず後にまっすぐ突き出ています。
続いて2009年5月、同じく近大生物理工学部近くの道沿いで、在来のヤエムグラ(Galium spurium var. echinospermon)に似たシラホシムグラ(Galium aparine)を見つけました。この少し前にネットでシラホシムグラの存在を知ったところだったので、和歌山にもあるのではと思って見てみると、ばっちり見つけてしまいました。
在来のヤエムグラは輪生する葉の付け根に目立つ毛はありませんし、花も薄い黄緑色で目立ちませんが、このシラホシムグラは葉の付け根の上側にこのような白い毛が密生していて、花も白くて目立ちます。花期も少し遅くて、ヤエムグラが果実期に入り葉がそろそろ枯れかかる頃でも、シラホシムグラはぐんぐん茎を伸ばしてヤエムグラより濃い緑色の葉をしっかり付け、花も咲かせています。原産地はヨーロッパのようですが、いつの間にか全国に広がっているようです。この場所以外では、龍門山山腹のいたるところに見られます。これも気をつけてみれば、和歌山県のもっと広い範囲で見つかると思います。