先週、久しぶりに五風荘に行ってきました。
 
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岸和田城に隣接する五風荘は、岸和田城主の新御茶屋跡を寺田財閥が別荘として維持してきた美しい日本庭園で、現在は「がんこ」が管理しており、カーネーションのロケも行われました。中央にある池は写真左手空水がポンプアップ&浄水されて写真右手にある細い流れの最上流部に戻されている(と思う (A^^;) )ので、ニシキゴイ(Cyprinus carpio)だけでなく、いまや絶滅危惧種のメダカ(Oryzias latipes)もたくさんいます。そのために、ここには岸和田城のお堀からアオサギ(Ardea cinerea)やゴイサギ(Nycticorax nycticorax)、時にはカワセミ(Alcedo atthis)がやってくることもあるため、魚を守るためにテグスが張られているようです。
 
鳥も見たいボクにとっては、ちょっと寂しいのですが (A^^;)
 
この日来たのは、この庭園内にあるイスノキ(Distylium racemosum)が満開になっているのではないかと思ったからです。確かに満開だったのですが、木が高く、下の方の枝は切られていましたので、近くで花を見ることはできませんでした。もう少し低い木も確かあったはずなのに、切られてしまったようで残念です。
 
幼木が何本かありましたので、とりあえずそれを撮影。
 
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特徴のない葉の植物ですが、よく見ると若葉に丸い膨らみがあります。これはイスノオオムネアブラムシ(Nipponaphis distychii)の寄生による虫癭(ちゅうえい 虫こぶのこと)で、これがたくさんの葉にできるのがイスノキを見分けるポイントになっています。
 
イスノキの花の写真はあきらめて、庭園内の植物を撮影。キウリグサ(Trigonotis peduncularis)が雑草取りの手を免れてきれいに咲いていました。
 
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日本産のワスレナグサの仲間。青い花弁に中心部の黄色い副花冠がアクセントになっています。花序の先がくるくる巻いているのはサソリ状花序と言います。葉をもむとキュウリの匂いがする、と言いますが、まあやってみてください。"草の匂い"です。
 
これによく似たハナイバナ(Bothriospermum zeylanicum)もありました。
 
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花はよく似ていますが、副花冠は白いこと、花が葉の基部に一つづつ付くこと(これが葉内花の語源らしい)、花序の先がサソリ状にならないことが特徴です。どちらも小さくて風に揺れて、シャープに撮らせてくれませんでした。
 
小さなスミレが咲いていました。ボクの好きなヒメスミレ(Viola inconspicua subsp. nagasakiensis)です。
 
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濃い紫の花と、小さいままの葉がなかなかかわいい。
 
花のアップです。
 
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カマキリの頭のような柱頭と、側花弁の基部の毛がよく見えます。
 
庭園を出て、「がんこ」正面にある丸い芝生の植えられた場所で、これも草取りの難を免れたアオスゲ(Carex leucochlora)が咲いていました。
 
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これぞ雑草!って感じです。先端の小穂は雄性で、葯が飛び出ています。その下部にある小穂は雌性で、尖った芒(のぎ)が見えています。わざわざ五風荘に行ってこんなものを撮影してるなんて、やっぱりへんなやつかも (A^^;)