10月26日・27日は紀の川市の文化祭でした。ボクの所属する「龍門山の自然を守る会」では、今年は紀の川河川敷の秋の帰化植物をテーマに展示を行いました。
 
まずはマメ科のエビスグサ(Senna obtusifolia
 
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中米原産で、熱帯に広く分布している植物。エビスグサに近縁で、ハブ茶の原料にされるハブソウ(Senna occidentalis)によく似ていますが、エビスグサの小葉が倒卵形であるのに対し、ハブソウの小葉は楕円形で先が尖っています。現在はハブソウに換わってエビスグサがハブ茶の原料にされているらしく、おそらくこれも栽培されていたものが逸出したのではないかと思われます。多くのマメ科植物と同じく複葉ですが、先端が2枚の小葉で終わる偶数羽状複葉になっています。
 
次はアカバナ科のオオマツヨイグサ(Oenothera glazioviana
 
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北米原産で、江戸時代に観賞用として日本にもたらされたものが野生化して全国に広がっています。ツキミソウと呼ばれることが多いのですが、ツキミソウ(Oenothera tetraptera)はこのオオマツヨイグサとは別の種類です。
 
この花そっくりで小さな花を咲かせるメマツヨイグサ(Oenothera biennis)、同じく小さな花で地面を這うように育つコマツヨイグサ(Oenothera laciniata)の方がずっとよく見られます。
 
次はヒルガオ科のマメアサガオ(Ipomoea lacunosa
 
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北米原産で、アサガオ(Ipomoea nil)を小さくしたような花をつけます。花柄は葉柄より短く、その先に数個の花をつけること、葯が赤いことが特徴です。この写真のような薄いピンクの花だけでなく、白花も見られます。
 
これによく似たホシアサガオ(Ipomoea triloba)もすぐ近くに咲いていました。
 
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熱帯アメリカ原産で、マメアサガオそっくりですが、花の中心部が栗色で、花柄は葉柄より長く、その先に3~8個の花をつけること、葯が白いことが異なっています。
 
さらにこの近くにはマルバアメリカアサガオ(Ipomoea hederacea var. integriuscula)も咲いていました。
 
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こちらも熱帯アメリカ原産。名前のように葉は丸く、サイズが小さいだけでアサガオそっくりの薄青い花をつけます。丸い果実を包む萼片が強く曲がって、ふちが巻き込むようになるのも良い特徴です。
 
次はザクロソウ科のクルマバザクロソウ(Mollugo verticillata
 
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熱帯アメリカ原産で、江戸時代末期に日本に渡来した植物。在来種のザクロソウ(Mollugo stricta)とは異なり、茎の節から車輪状に葉を輪生することから名付けられました。一見ハコベのようですが、ハコベの仲間は5枚の花弁がそれぞれ深く2裂しているため、10枚の細い花弁が付いているように見えるので区別できます。

次はアカネ科のオオフタバムグラ(Diodia teres
 
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北米原産で、1920年代に東京で初めて見つかり、その後全国に広がった植物。河川敷の砂地によく群生しています。

よく似たメリケンムグラ(Diodia virginiana)はより湿ったところに生え、花は白くて裂片がもっと細長く、やや反り返り、雄しべ雌しべは花より長く突き出しています。
 
続く。