今回の観察会では、昆虫もいくつか見られました。といっても地味な虫ばかりですので、期待しないように^^
 
登山道を登り始めてすぐに、参加者の一人がこんな虫を見つけてくれました。
 
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図鑑では見たことがあるような気がするものの、なんだこれ? ゴミムシダマシの仲間?? 帰って調べてみると、クシヒゲムシ科のクチキクシヒゲムシ(Sandalus segnis)♀でした。見たことがないはずでけっこうレアな種類らしく、国内ではクシヒゲムシ科の昆虫はわずかに3種、うち2種は奄美沖縄地方に住む種類なので、九州以北にはこの種1種のみしか分布していないようです。♂でしたら名前のようにもう少し立派な櫛状の触角をつけるようです。
 
少し行くと、今度はコガネムシの仲間が葉っぱの上に止まっていました。
 
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この仲間は似たものが多いのですが、どうもコガネムシ科のオオスジコガネ(Mimela costata)のようです。
 
ブナ林では花の上にハナカミキリの類が少し見られました。
 
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ヒメハナカミキリの仲間(Pidonia sp.)、まではわかるのですが、似た種がいっぱいあるので、種名は???
 
稲村ヶ岳山荘前のテーブルには、いつも甲虫が乗っかっているので、チェックしてみました。すると、赤いカミキリムシ発見!
 
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ビロードのような赤さがなんてキュート!! カミキリムシ科のキヌツヤハナカミキリ(Corennys sericata)です。
 
今回はこのカミキリ以外では、ちょこまか動き回ってきれいな写真を撮らせてくれなかった小型のコメツキムシくらいしか見当たりませんでしたが、翌日のお昼頃、付近の草に同じような赤い甲虫がいるのを参加者が見つけてくれました。
 
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同じような色合いですが、触角や頭部の形、全体のプロポーションなどが違います。こちらはアカハネムシ科のアカハネムシ(Pseudopyrochroa vestiflua)。カミキリムシとは科が違います。こちらは普通種。
 
宿の周辺を散策中に、もうひとつ同じように赤い甲虫を見つけました。
 
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こちらはベニボタル科のコウノジュウジベニボタル(Lopheros konoi)です。この仲間も似た種が多いのですが、会合線が赤く、上翅に太い線と破線が交互に並ぶことが特徴です。
 
ブラックライトを点けた夜の昆虫調査では、風が強く、そのせいか気温も低くてなかなか虫が集まってくれませんでした。その中で、こんな小さな甲虫が何個体か来てくれました。
 
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コガネムシ科のヒゲナガビロウドコガネの仲間(Serica sp.)まではわかりましたが、これも似た種が多く、この不鮮明な写真ではここまで止まり (A^^;)
 
ライトに集まったわけではありませんが、近くのトイレのそばでクワガタを探していた参加者がカミキリムシを見つけてくれました。
 
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落ち着きがなく、なかなか撮影させてくれませんでしたが、やっとのことで撮った1枚。カミキリムシ科のホソカミキリ(Distenia gracilis glacilis)です。これはこんな高い山に来なくても見られる普通種です。
 
う~ん、元雑甲虫少年らしく、甲虫ばかりになっちゃいました (A^^;)  一つだけ別物。ホソカミキリを見つけた人から、「鳥が死んでいる」との連絡! 懐中電灯の光だけで、こんなにいろいろ見つけるなんて、ただものではない!
 
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頭部にオリーブ味がなく、背中より暗い色合いで、下面が真っ白、足がピンク色です。これはムシクイ科のエゾムシクイ(Phylloscopus borealoides)です。成鳥ですので、ここで繁殖していた個体だと思います。営巣中だったら、おそらく残ったもう1羽は営巣放棄してしまうだろう、と思うと残念でなりません。まだ新鮮な状態でしたし、夕方には誰も気付かなかったので、夕暮れ時にトイレの窓かどこかに衝突してしまったのかもしれません。
 
次は甲虫だけでなく、もう少しバリエーションがあります。もう1回だけ続く^^