昨日は久しぶりに昼から近くにある和歌山県立緑花センターに行ってきました。確か洋ラン展が催されている、と思って行ってみると、2月上旬の催しでした (A^^;)
それでもめげずに大温室に行ってみると、たくさんのランの花が出迎えてくれました。
 
カトレアやパフィオペディラムなどのきれいで大きな交配種がたくさん咲いていたのに、そういうのには目もくれず、野生ランばかり撮影していました。ちょうどAngraecum sesquipedale が満開で、花をじっくり見ることができました。
 
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この花はダーウィンがマダガスカル島で発見し、その距の長さに見合う長い口を持ったガの存在を予言し、後に予言どおりの口を持つキサントパンスズメガ(Xanthopan morganii praedictaが発見されたことで有名なランです。残念なことに花の位置が変! どうもこの種は花茎を下垂させる種のようで、(おそらく)花が見やすいように花茎を斜上する状態で支えをしてあったため、下垂するはずの距が上向きに突き上げるようになっていました。せっかくなら自然な状態で見たかったなあ (A^^;)
 
A. sesquipedale にしては距がやけに短く、まさか別種か交配種ってことはないでしょうか??
 
奥の方には、Rhyncholaelia glauca がたくさん並べられていました。
 
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クリーム色の美しいランです。この仲間はもともと Brasavola 属でしたが、DNA解析により、この glaucadigbyana などは Rhyncholaelia 属に分離されました。ここのラベルはまだ Brasavola のままになっていました。
 
白くて細い花弁の花をたくさんつけているランが満開になっていました。
 
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オーストラリア東部のラン、Dendrobium speciosum です。清楚できれいなランです。
 
ボクの好きな Cirrhopetarum 属のランも2種類咲いていました。
 
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Bulbophyllum 属に含める考え方もありますが、細長い花を放射状につけるものを Cirrhopetarum 属に分離することもあり、ボクはそちら派です^^ 残念ながらラベルがなく、しかもこの仲間はよく似た種が多いため、種名は不明です。もう一つ、小さくて赤い花を放射状につけたものもありましたが、残念ながらうまく撮影できていませんでした (A^^;)
 
そのお隣には、こちらは正真正銘のBulbophyllum 属が不思議な花をつけていました。
 
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フィリピン原産の Bulbophyllum saurocephalum です。太くて肉質の花茎を下垂させて、そこに埋もれるような感じで開花しています。アップで見てみると、
 
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唇弁が肉質の花茎と合体しているように見えます。なんて不思議なラン!
 
そろそろ温室から出ようとしたとき、もう一つ小さなランが咲いているのに気付きました。
 
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これまた残念なことにラベルがなく、いったいどの属に属しているのかもわかりませんでした。もしかしたら Bulbophyllum 属ではと思って検索したところ、中国南部から東南アジア原産の Bulbophyllum ambrosia であることを確認。
 
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地味な Bulbophyllum 属にしてはなかなかキュートなランですが、そっけなくぶら下げられているだけなので、この花に気付いた人がいったい何人いるのか (A^^;)
 
そういえば、これらのランの名前を調べているとき、去年の頂き物のランの名前が間違っていたことに気付きました。
 
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年末ごろに満開で、今は1輪だけ花が残っています。Coelogyne uniflora だと言われていただいたのですが、ググってみるとその名前のランに2種類あることがわかり、さらに調べるとこのランを Coelogyne uniflora としているのはほぼ日本のサイトに限られていることに気付きました。これはどうも怪しいと思ってよくよく調べてみて、やっと正体を突き止めました。これは中国南部から東南アジアに分布する Coelogyne fimbriata でした。外国のランに関しては情報が少なく、よくよく調べないと分類の変更などがあっても知らないことが多いので要注意です。でも、このランに関しては、いったいどこで誰が間違ったのか、それがこんなに国内に間違いと気付かれずに広がってるとは、びっくりしました。