一昨日まで日本鳥学会2013年大会での発表の準備で大忙しで、なかなか写真の整理とかもできなかったのですが、昨日、日帰りで名古屋の名城大学での大会に行ってきて、疲れたけどやっと一息つけました^^
久しぶりのゆっくりとした休日で、写真の整理ができました。
では続きです。
スゲの写真を這いつくばるようにして撮っているのを変な目で見られながらも、めげずに次の被写体に^^
登山道横にキキョウ科のチシマギキョウ(Campanula chamissonis)が咲いていました。

ロゼット状に広がる葉に細くて長い葉柄があるのがちょっとノーマルタイプのチシマギキョウとはちがう変な感じを受けましたが、萼片が全縁で、花の裂片に白くて長い毛が多いことは特徴と一致します。登山道沿いのその一角にだけ群生するようにありましたので、もしかしたら植えられたものかもしれません。
その先にはギンリョウソウ(Monotropastrum humile)が咲いていました。

本当に蝋細工のような花です。ちょうどハチが来ていました。花の奥まで顔を突っ込むかと思っていたら、こんな感じでずっと何かをしていました。ギンリョウソウの花の入り口は、ほぼ同じくらいの丸い柱頭でふさがれていますので、柱頭のねばねばした部分をなめていたのかもしれません。ハチは守備範囲外ですので、なんという名前かはわかりませんが、ギンリョウソウの報花昆虫は初めて見ました。
ギンリョウソウはイチヤクソウ科からツツジ科に移されてしまいました。こういう葉緑体を持たない植物の場合は、どの部位のDNAを解析したのでしょうか?
こんな目立たない植物も群生していました。アカネ科のオオバノヨツバムグラ(Galium kamtschaticum var. acutifolium)です。

葉は大きめで丸く、先がやや尖り、3脈が目立ちます。また、花は図鑑では淡緑色となっていますが、これはもっと白っぽく、花冠が5裂するものもありました。子房にたくさんの長くて先の曲がった毛が生えているのは特徴的です。
その先に咲いていたのがこれ (^^)v

やっと見つけました。コイチヨウラン(Ephippianthus schmidtii)です。大峰山系では残念ながら花に振られてしまいましたが、ここでやっと花を見ることができました。
この近くではコバノイチヤクソウ(Pyrola alpina)も咲いていました。

葉に特徴があり、他種と見分けられます。ギンリョウソウと同じく、これもツツジ科に移動されています。ツツジ科とはにわかに信じられない!
残念ながら、「もう帰ろう」の天の声 (T_T) もっと歩けばまだまだいろんな花が見られるのにほんとに残念です。
ロープウェイの近くまで戻ると、オトギリソウ科のシナノオトギリ(Hypericum senanense subsp. senanense)が咲いていました。

葉の一番幅の広い部分が茎に近いところにあり、葉は軽く茎を抱いています。葉には黒点はなく、縁にのみ黒点があります。花弁にも黒点があるように見え、同定に悩みましたが、おそらく花が少し痛んでいるせいではないかと思います。3本の花柱が子房より長いことも特徴です。
残念ながら、これでおしまい。ロープウェイに乗って西穂高口駅に戻りました。あまりに残念なので、駐車場まで戻るのを少し回り道。すると、やっとヒヨドリバナ(Eupatorium makinoi)にセセリチョウがいるのを発見^^

コキマダラセセリ(Ochlodes venatus)です。やっと信州らしいチョウを見ることができました。たぶん午前中にここに来ていれば、もっとたくさんのチョウを見ることができたのに、ほんとに残念!
車に戻り、新穂高岳をあとにしました。動き出してすぐにキンポウゲ科のヤマオダマキ(Aquilegia buergeriana var. buergeriana)が咲いているのを見つけ、車を止めてパチリ。

とてもきれい! 園芸種に見まちがうほどです。距が曲がらずまっすぐに伸びているのが特徴です。
また今度はゆっくりと時間をかけてリベンジしたいものです。まあでもたったこれだけの時間でこれだけ見られただけでも満足しなくっちゃ^^