やっと仕事もひと段落^^
さてさて、溜まっていた写真もどれから手をつけようかと考えましたが、弥山の昆虫編のあとはやっぱり弥山の植物です^^
弥山登り口になっている行者還りトンネル付近は、平日なのに車でいっぱい (A^^;) スペースを見つけて駐車して、山登り用に服を調えたあと、9時40分頃山頂に出発。
登り口のあたりにはコウツギ(Deutzia floribunda)が満開でした。

この写真は、帰りに登り口まで降りたあと、着替えてから付近を散策していた時に撮ったものですが、手前の大きい花が無印^^ウツギ(Deutzia crenata) 奥の小さい花がコウツギです。こんなに花のサイズがちがうのは遠近法のせいではありません (A^^;) 下界ではウツギはもう1ヶ月以上前に花が終わっているのに、ここではまだ咲いているのがありました。しかもボクに撮ってくれと言わんばかりにコウツギと並んで咲いてるなんて^^
コウツギやウツギは、エングラー分類ではユキノシタ科ですが、最新のAPGⅢによるとクロンキストの提案したようにアジサイ科に分離されています。
登り口からはだらだらときつい登りが続きます。花も少なく、休憩しつつ尾根に着いたのが10時半頃。10分ほど休憩してから尾根筋を弥山に向いました。天気がよく、出合分岐付近からは絶景が見られました^^

遠くかすかに稲村ヶ岳と大日岳が見えています。
尾根筋には本当に植物が少ない! 咲いているものといえば、ナガエコナスビ(Lysimachia japonica)くらいでした。

コナスビはかつてはサクラソウ科に分類されていましたが、APGⅢではヤブコウジ科に移されました。
バイケイソウ(Veratrum album subsp. oxysepalum)は満開をわずかに過ぎた株が大半でしたが、中にはこんなにきれいに咲いているものもありました。

バイケイソウは、APGⅢではユリ科からシュロソウ科に分離されました。う~ん、本当に覚えられない (A^^;)
花の中をのぞいていろいろな昆虫を撮影しながら、さらに尾根を進むと、最後にまた長い登りです (A^^;) そろそろ気になる植物が咲いているはずなのですが、残念ながらまだ花茎を延ばしだしたところでした (A^^;)
このあたりから、メボソムシクイ(Phylloscopus xanthodryas)やルリビタキ(Tarsiger cyanurus)などの囀りがたくさん聞こえてきました。メボソムシクイは、昨年ここで聞いた囀りは標準タイプの4拍(チョリチョチョ チョリチョチョ ・・・)ではなく、5拍(チョチョリチョチョ チョチョリチョチョ ・・・)だったのでびっくりしたのですが、今年は5拍で囀る個体はごくわずかで、大半は大峰山系でよく聞かれる3拍(チョチョチョ チョチョチョ ・・・)、1個体だけ標準タイプの4拍囀りをするものもいました。
山頂に近づくと、もうとっくに終わっていると思っていた花がまだ咲いていました。
まずはミヤマムグラ(Galium paradoxum subsp. franchetianum)。

ここより低い大普賢では、もうとっくに花が終わって種になっていたのに、ここではまだ咲いていました。
タニギキョウ(Peracarpa carnosa)もまだ花が見られました。

暗い森の中に咲く白い花は、本当に撮影が難しい (A^^;)
弥山山頂には12時40分頃到着。お弁当と、こっそり持ってきた冷えたビールで一人乾杯です^^
紀伊半島最高峰の八経ヶ岳は目の前にあります。

食事が終ってから、まずは弥山小屋付近を散策。
山頂の天河大辨財天社付近でカラマツソウ(Thalictrum aquilegiifolium var. intermedium)が咲いていました。

花弁はなく、包んでいた萼片も開花後すぐ落ちてしまい、花のように見えるのは雄しべで、雄しべの軸(花糸)が花弁のように平たくなり、先の葯より広くなるのが特徴です。
こんなスゲも咲いていました。

ミノボロスゲ(Carex nubigena subsp. albata)です。花序の付け根に細い葉のような苞があること、披針形の花を密集してつけ、雌鱗片が果苞より短くて中軸の両側が褐色であることなどが特徴です。スゲはもっと勉強しなくては (A^^;)
そろそろ八経ヶ岳に出発です^^ 続く