Nawshicaの自然とともに

2019年4月にフリーとなり、現在は Nature Guide & Research として鳥や植物、昆虫の調査や観察会講師、ガイドなどをしています。このブログは​ 20​10​/04​/2​9 に yahooブログで開設し、2019/09/09 にこちらに移行し、日々の活動で見た生き物を中心に情報を発信しています。なお、元高校数学の教師でしたので、家庭教師の依頼も受けております。

ジョウビタキの繁殖

今年ももう8月。でもまだ8月 (A^^;)  既に今年はいろいろな発見の年になっています。

その発見の一つがこれ。先日訪れた兵庫県鉢伏高原で再びジョウビタキ(Phoenicurus auroreus)の繁殖を再び確認することができました。

きっかけは3年前の2013年8月5日。この鉢伏高原で同行していた女性がジョウビタキを見つけたことから始まります。「尻尾を振ってます」というのでどうせモズ(Lanius bucephalus)だろうと一瞬思いましたが、彼女がモズを知らないはずはないと思い直して双眼鏡を向けてみると、なんと冬鳥のはずのジョウビタキ! あわててカメラを構えて何枚か証拠写真を撮ったのですが、いつの間にかカメラの設定が白黒モードになっていて、あとで写真を見てがっかり (A^^;)  これがそのときの写真です。

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今回は3年ぶりの訪問。それ以降の2年間は夏に成鳥が見られたらしいのですが、繁殖の記録はなく、全く期待はしていませんでした。ところが今回の2泊3日の3日目に宿舎周辺の生物調査をしているとき、再びジョウビタキ若鳥を見つけました。

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電線に止まっている鳥がジョウビタキだと気付き、慌ててシャッターを切ったとたんに飛ばれてしまいました。再び電線に止まってくれたので、ゆっくり近づいてなんとか撮影。

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青空がバックで鳥は真っ黒け (A^^;)  色調補正をかけてやっとこの程度の写真にしかなりませんでした。

調査終了時に再び同じ場所に立ち寄って探してみたところ、再び発見。今度は光の状態のいい場所にいました。

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ホバリングしてるところをまずは撮影。ボケボケですが、はっきりジョウビタキだとわかります。さらにこのあと木陰に止まってくれました。

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暗くてこれまた全然シャープな写真ではありませんが、下面のボツボツ模様から今年生まれの若鳥だということがはっきりわかります。

このあと数日後に兵庫の知人の鳥類研究者が同じ場所でもう一つ別のペアが子育てをしていることを発見。今年この場所でなんと2つがいが繁殖していたということがわかりました。

3年前の発見時には北海道、長野についで日本におけるジョウビタキの3ヶ所目、最西端の記録でしたが、その後岡山県や広島県、鳥取県などでも繁殖が記録されています。とはいえ、まだまだほとんど日本での繁殖記録のないジョウビタキ。今後繁殖地が広がって日本でも留鳥として広く繁殖するようになる前兆なのか、今後とも要注目の鳥です。

大阪城の鳥

先日、久しぶりに大阪城に行ってきました。城内は中国や韓国からの観光客でいっぱいでびっくりしました。
 
ボクは静かな西の丸庭園に。少し前まではニシオジロビタキ(Ficedula parva)がいてバードウォッチャーやカメラマンでにぎわっていたらしいのですが、今はひっそりしていました。
 
園内に入ってすぐにハヤブサ(Falco peregrinus)がいました。高空で、しかもビル街に飛び去ったので撮影はできませんでした。芝生の上にはツグミ(Turdus naumanni)やカワラヒワ(Chloris sinica)がいる程度。鳥は少なめでした。
 
それでも何か見れないかと庭園の奥の方まで行くと、まずはコゲラ(Dendrocopos kizuki)が出迎えてくれました。
 
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最初は2羽だったので夫婦かと思ったのですが、途中から3羽に。これから恋のバトルが始まるのかも^^
 
じっとしていると目の前までやってきてくれました。
 
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忍法天井走りの術! 垂直の幹だと両足と硬い尾羽の3つで支えていますが、こんな逆向きだと足指の力だけで支えることになります。いくら体重が軽いとはいえ、すごい!
 
近くにジョウビタキ(Phoenicurus auroreus)♀もいました。
 
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「コゲラさん、なんて器用な格好で!」って言ってるような^^ 実はこれ、ボクが近づきすぎてちょっと警戒しているポーズです^^
 
西の丸庭園をあとにして、お堀の周りを歩きました。もう梅(Armeniaca mume)は満開で人がいっぱい。人の少ない豊國神社の方に退散しました。こちらにはシロハラ(Turdus pallidus)がいっぱいいましたが、この鳥はなかなか撮影できるような所に出てきてくれませんし、近寄らせてもくれない。ところが1羽が城壁の上に止まってくれました。
 
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雨覆の先が淡色なのでこれは去年生まれの若鳥です。見ていると、
 
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なるほど! 水浴び場だったのだ! ちょうどいいサイズと深さの穴に雨水が溜まっていたようです。
 

紀の川調査

今日は紀の川の調査。鳥獣保護区更新のために10年ごとに行う調査です。ただ、紀の川市が町村合併したために、それまで3つに分かれていた鳥獣保護区が一つになり、前回との比較のために3ヶ所一度にしないといけないのでたいへん! それでも、たくさんの鳥たちに出会えるのはうれしいことです^^

今年は暖冬のせいか冬鳥の種類が少なめです。それでも午前中だけで43種の鳥を確認することができました。カモの種類は少なかったのですが、数はいっぱい。カワアイサ(Mergus merganser)の群れの中に渡来中のコウライアイサ(Mergus squamatus)を探しましたが、残念ながら見つかりませんでした。

イワツバメ(Delichon dasypus)の大きな群れも見られ、ヒメアマツバメ(Apus nipalensis)が混ざっていないか注意して探したのですが、こちらも空振り (A^^;)  かつては竜門橋でたくさん繁殖していたのに、橋の塗装工事で巣が全て撤去されてから見られなくなり本当に残念です。最後にアカゲラ(Dendrocopos major)が出てびっくり! 山で見る機会でさえ少ないのに、河畔林で見るなんて想定外でした (A^^;)

常連さんのミサゴ(Pandion haliaetus)が枝先に止まっていました。

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飛び姿はよく見ますが、止まっているのは久しぶり、と思っていたら、もう一羽がすぐ近くに止まりました。

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この2羽、ペアかもしれないです。かっこいいのでもう一枚^^

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なんて凛々しい!
そのうち飛び立ちました。

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この鋭い爪で魚を引っ掛けて捕まえます。
2羽が仲良く飛んでいると、さらに2羽が! 4羽が入り乱れて低空を飛ぶ姿に興奮しました^^

紀の川では毎年クサシギ(Tringa ochropus)が少数越冬しています。警戒心が強いのでなかなか近づかせてくれませんが、驚いて飛んで逃げ去るところをなんとか撮ることができました。

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連射は使わないので飛びものは苦手ですが、うまくファインダーに入ってくれてラッキーでした^^

鳥を見ているとすぐ横でガサゴソ音がしました。振り向くとそこにこの子がいました (A^^;)

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足先まで黄色で、鼻の周りに白色部があること、体長に比べて尾が短めなことからホンドイタチ(Mustela itatsi)と判断したのですが、どうでしょうか?
ボクがいたことにびっくりしたのか、1分ほどずっとにらめっこ状態でした。枝かぶりのないところに移動してくれれば良かったのですが、この写真がまだ一番見えているものでした。

セイタカシギ

またまた書き込みが滞っていました (A^^;)
いいわけですが本職の方が忙しくて (A^^;)  でもやっと山を乗り越えられた・・・って、前にも書いたような (A^^;)

1月9日に大阪府のガンカモ一斉調査に行ってきました。ボクの担当は大阪南部。
11ヶ所の河口部や溜池を回ってカモ類の数をカウントし、報告しました。カモの数は457羽とそう多くはなかったのですが、去年に引き続き北方系で海の鳥のホオジロガモ(Bucephala clangula)♀1羽を溜池で記録したり、河口部にヨシガモ(Anas falcata)♂がいたりと、11種のカモ類を記録することができました。

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この河口部でヨシガモを見る機会はほとんどないので、調査のときに出てきてくれて本当にラッキーでした。調査に同行した高校生たちもこのきれいな鳥が見られて喜んでいました^^

途中の溜池でカモを探しているとき、水際にセイタカシギ(Himantopus himantopus)がいるのに気付きました。そおっと近づいてみました。

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右側の方は背中に青い光沢があり、左は光沢がなく褐色っぽい羽衣をしています。成鳥と若鳥、と当初は思いましたが、右が♂、左が♀でした。どうりで仲がいいわけです^^

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すぐ横まで行ってもあまり人を恐れず、ゆっくり撮影させてくれましたが、なんといっても調査中で時間をかけるわけもいかず、この日はこれまで。

1月11日に、再度この池を訪れました。全く同じ場所にまたセイタカシギを発見。1月6日頃からずっとここにいるそうです。

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赤い目もきれいに見えていました。
池の堤を歩いてくる人に驚いて、飛び立ちました。

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片足が悪いようにも見えますが、普通に歩いています。

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飛ぶ姿もとってもきれい!

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遠くまで飛んでいくこともなく、すぐまた元の場所に戻ってきました。ここで繁殖してくれたらいいのですが (A^^;)

平池の鳥

オーストラリアの鳥シリーズが終わったらほっと一息、つき過ぎていました (A^^;) 週1更新の目標はどうなったのやら (A^^;) 

今年のいろんな観察会や調査のアップはちょっと置いておいて、昨日和歌山北部のもっとも大きな溜池である平池で久しぶりに鳥見をしてきましたので、そちらを先にアップ^^

愛想のいいカンムリカイツブリ(Podiceps cristatus)がいると聞いていましたが、本当にいました^^

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カンムリカイツブリは大きな川や湖で見られることもありますが、主として海に生息する冬鳥。海では波の合間に遠く見る程度ですが、ここ平池でははるかに近く見ることができました。それでも警戒心はけっこう強く、水中に潜った隙にダッシュで距離を縮め、何とか見られる写真を撮ることができました。

水中からぽこっと水面に出てきたら、スーッと距離をとるように泳いで遠ざかっていきます。その途中で、羽ばたきのシーンを見せてくれました。

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まずは伸び上がり、翼を広げて、

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バタバタバタっと翼の水を切るように羽ばたき、

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よっこいしょ、って感じで着水^^ 身体の軽さがよくわかります^^

この時期は冬羽ですが、喉の飾りに少し夏羽っぽい赤い色が見えていました。

平池ではヒドリガモ(Anas penelope)が多く、マガモ(Anas platyrhynchos)やコガモ(Anas crecca)などたくさんのカモが見られますが、オオバン(Fulica atra)が一番近づかせてくれました。餌付けされてあまりの人馴れにびっくり!

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いい角度で撮れたのに、近すぎて足が切れてしまいました (A^^;)  目がこれほどまで赤いとは!

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餌をくれないとわかったら、やっと離れてくれました^^ それにしてもこの恨めしそうな顔 (A^^;)  水鳥で泳ぎも上手ですが、足には水かきがなく、カイツブリ(Tachybaptus ruficollis)と同じく足指が平たく広がってオールのような形をしています。これを弁足といいます。

オオバンは関東以北では普通に繁殖していますが、西日本では本当に少ない鳥でした。ところが繁殖地がどんどん南下し、今では大阪南部でも繁殖しています。和歌山でももうまもなく繁殖するようになるかもしれません。

オオバンを撮影していると、遠くの方にいたオオバンが池を横切るようにどんどん近づいてきました。

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まるでジョーズを見ているような迫力! でも餌はやらないよ^^
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